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【展覧会レビュー】大竹伸朗展

大竹伸朗展へ行ってきました!国立近代美術館にて、2023年2月5日まで開催されています。 予想通り、ものすごいエネルギー。従来のキャプションではなく、ふられた作品番号とともに音声ガイドで会場を周るというもの。個人的にはキャプションや開催側からの視点を読むのは大好きなのですが、途中会場で大竹さんのインタビュー映像などが上映されているので、制作意図などは把握できるようになっています。一点一点を会場で見えるかたちで言語化していく従来の展覧会の方向ではなく、まずは物量と、大竹伸朗さんをまるごと感じられるような会場構成になっていたと思いました。 さて、写真にはありませんが、わたしは大竹伸朗さんの具象絵画が好きです。多くの抽象的でダイナミックな作品群の合間合間に、制作の動機を裏付けるような具象絵画が点在しています。時には大きく、時にはそれ一点だけが存在して、時にはインスタレーションの一部として。様々な「具体的な事象」について、油絵具やペンのようなドローイング画材で、作家の直接的な眼差しが垣間見えるのが印象的でした。「ああ、こういうふうに景色や人を見ているんだ」と、すっと感じられます。 抽象、具象の定義や存在意義を絵画のなかでわたしはよく考えますが、そこには実はなんの境界線も無い、いや、美術のなかでは境界線は無いが、思考の発露の段階では意識的に区分することがあります。美術のなかでゾーニングされた抽象、具象の概念は作家の性質を語る時にナンセンスとしても機能し、明晰な仕掛けとしても機能します。区分することも、しないこともどちらをとっても21世紀の美術にはそれを話すことは必要なことと思います。それは作品の形式に委ねられてしまうことと同じです。多様な素材形式についてを話すことは、振り返って現代ではあまり語ることは少なく、採用されたジャンルごとに作品意図を一過性に語ることが多くなってきていると思います。しかし少なくとも「抽象/具象」を区分した作家の意図は、パピエ・コレが始まった非絵画化での議論と同じく興味深いものだと思っています。例えば映像かパフォーマンスかメディア・アートか、という分類は単なる物質的な分類に過ぎませんが、抽象と具象の概念の分類はもっと非物質であり、絵画を絵画たらしめる要因のひとつではないかと思うからです。マルチメディア化すればするほど、平面で絵具を使用する物質的には二次元の絵画のシンプルさとは違って、本質的な問いからはどんどん遠くなります。だからわたしは大竹伸朗展を、そういった非絵画化していくきっかけとなるような具象と抽象の分類を、いくら作品が動的になろうとも、マルチメディア化されようとも、非常に絵画な概念の芸術だと思って拝見しました。 必見です。 https://www.momat.go.jp/am/exhibition/shinro-ohtake/ 会場: 東京国立近代美術館 1F企画展ギャラリー、2Fギャラリー4 会期: 2022年11月1日(火)~2023年2月5日(日) 休館日: 月曜日(ただし1月2日、9日は開館)、年末年始(12月28日~1月1日)、1月10日(火) 開館時間: 10:00-17:00(金曜・土曜は10:00-20:00) *入館は閉館30分前まで






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